児童ポルノ禁止法改正案が参議院法務委で可決される！

児童に対する性的犯罪抑止のために、ずっと議論が進められてきた
児童ポルノ禁止法改正案が、参議院法務委で可決し
今後、参議院本会議で可決される見通しが強まったと報じられています。

児童ポルノ禁止法「改正案」が参議院法務委で可決 「捜査権の濫用防止」の附帯決議も

子どものわいせつな写真などの単純所持を禁じる児童ポルノ禁止法の改正案が、6月17日の参院法務委員会で賛成多数で可決された。今後、参院本会議で可決、成立する見込み。

この改正案は議員立法として、衆院法務委員会の委員長提案の形で衆院本会議に提出された。6月5日の本会議で可決している。

改正案は、児童ポルノの単純所持を禁止することが大きな柱。「みずからの性的好奇心を満たす目的」で児童ポルノを所持した場合、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科される。施行から1年間は、罰則を適用しない。

この法案は、過去何度も国会などの場で
児童保護の名目で、争われてきた内容のものですが
とうとう、単純所持規制についていよいよ可決される見通しであるとのことです。


この法案は、特にアニメ・漫画などの2次創作物に於いての
適用がずっと議論されてきた内容であり、私自身が2次創作物の愛好家でもあるので
この議論が出る度に、注目をしてきました。


今回の児童ポルノ禁止法改正案については、とりあえずは
2次創作物は対象から外されるとの話は出ておりますが
今後によっては対象に入ってくる可能性も示唆しています。
そして、あいも変わらず規制範囲が曖昧なのは変わっていません。


上記リンク先の記事にある

＞「みずからの性的好奇心を満たす目的」で児童ポルノを所持した場合

と、文言があるわけですが、これがさっぱり分からないのが問題です。
仮にそう言った児童ポルノが出てきた時に、自己申告で
性的好奇心を満たす目的では持っていません、と主張したとして
はい、そうですか。じゃあ大丈夫ですね。と話が終わるとはとても思えません。


今回は附帯決議で、これらの拡大解釈による
誤認逮捕などをしないように、捜査権の濫用防止について触れていますが
附帯決議は、あくまで法案を可決させるときに意見や希望を表明する決議であり
法的拘束力は無いと、こちらのページ（出来るだけ尊重はするようにとはありますが）にあります。


すなわち、附帯決議はあくまでこのようにして運用してねという希望なのであり
いざという時には、この附帯決議は別に無視して構わないということになります。
となると、この捜査権の濫用防止についても、その運用については期待しない方が良いでしょう。


結局のところ、児童ポルノを足がかりに別の犯罪ですとか
何かしらの行動抑制をしてくる可能性も否定できず
この法律が都合の良いように使われない可能性は否定はできません。


海外では、既に単純所持を禁止している国も結構あるようですが
その規制を掛けた結果、自分の子供の写真を持っていたら逮捕されたですとか
一緒にお風呂に入っていることを公言したら、父親が性的虐待で逮捕されたですとか
笑えない話が海外では起きています。

海外邦人事件簿｜Vol.50　なぜ!?　思わぬことから大騒ぎ（その1）

『とある先進国に在住の邦人一家。現地校に通っている娘さんが、作文に「お父さんとお風呂にはいるのが楽しみです。」と書いたところ、学校から警察に通報され、父親が性的虐待の疑いで逮捕されてしまった。』

日本では流石にこのようなヒステリックな運用はされないかとは思いますが
一度可決されたら、何が起こるのかはその時まで分からないことです。


児童ポルノの単純所持を罰するのではなく、その違法な児童ポルノを提供している会社ですとか
インターネットなどでの出会い系ですとか、まずはそう言った大本を規制して処罰するべきだと
児童の虐待防止や、安全を守ると謳うのであれば私は思うのですが。順番がちぐはぐなような気がします。